デルフィニウム

デルフィニウム

フィラー四季

デルフィニウムは、まっすぐ立つ茎に沿って青い花が下から上へ層をなして咲き上がり、まるで夏空を縦に立てたような花の塔をつくる花です。まだ開いていないつぼみが水面を跳ねるイルカに似ていることから、ギリシャ語でイルカを意味するデルフィス(delphis)にちなんで名づけられました。いちばんの魅力は、自然界ではなかなか見られない澄んだ純粋な青です。赤系の多い花の世界で、これほど涼やかな青を放つ花は珍しく、花束に涼しげな色と高さをいちどに立ててくれます。ふるさとは北半球の涼しい温帯地域や高い山地で、日当たりはよくとも暑さの厳しくない場所を好みます。旬は初夏から真夏までで、この頃に青がもっとも鮮やかに冴えます。西洋では、姿のよく似た夏の花々とともに、夏を代表する花として長く愛されてきました。

花言葉の物語

デルフィニウムの花言葉は「あなたを守ります」です。このやさしい意味は、空へ向かってすっくと立ち、傍らの低い花々を包み込むように見下ろすデルフィニウムの姿から生まれたといわれます。さまざまな花が集まる花束の中でも、デルフィニウムはいちばん高いところに立ち、群れを守る兄のような印象を与えます。まっすぐ伸びた茎が揺るがず上を向く姿は、何があっても傍らを守るという変わらぬ誓いのように読み取られたのでしょう。そこへ、青が古くから象徴してきた信頼と誠実のイメージが重なり、デルフィニウムは頼もしい守りと変わらぬ約束を伝える花と見なされてきました。華やかに目を奪うより、黙って後ろを支えるその姿は、大げさでなくてもいつも傍にいてくれる人の心とよく似ています。だからデルフィニウムは、華やかに愛を告げる花というより、守りますという約束をそっと差し出す花に近いのです。

色ごとの花言葉

贈りたい瞬間

「あなたを守ります」という花言葉のおかげで、デルフィニウムは大切な人に頼もしい気持ちを伝えたいときによく似合います。いつも傍にいてくれた家族や古い友へ、あるいは新しい門出を前に励ましを求める人へ、見守っていますという思いを込めて贈るのにぴったりです。涼やかな青がもたらす清涼感のおかげで暑い季節の贈り物にうってつけで、夏の誕生日やバカンスの雰囲気の席、クールトーンの花束が似合う場面に自然になじみます。縦に高く伸びるシルエットがあるので、大きくまとめる祝いの花束や格式ある席の贈り物にも、涼しげな存在感を添えてくれます。昇進や開業のように先を応援する席では、まっすぐ伸びる姿が頼もしい気を運び、慰めが必要な人には、青ならではの静けさがそっと心を落ち着かせてくれます。

組み合わせのコツ

デルフィニウムは縦に長く伸びて花束に高さと方向を与える花なので、丸いメインの花のそばに立てると、平坦だったシルエットに涼やかなリズムが生まれます。同じ青系の紫陽花・アガパンサス・ニゲラとともに置けば、濃い青と淡い青が層をなすブルーのグラデーションが仕上がり、夏の海をたたえたような花束になります。白いバラやリシアンサスのような澄んだ白と合わせると青がいっそう清らかに映え、黄色いひまわりや杏色の花とは補色で響き合って、すっきりとした対比を生みます。ユーカリやルスカスのようなグリーンを間にはさんで余白をつくると、色が固まらず澄んで整います。背が高いぶん、花束の後ろや外側の輪郭に置いて先に高さを決め、低いメインの花とフィラーで内側を埋めていくと、バランスが安定します。ただ茎がまっすぐ長く場所をとるので、二、三本に抑えてリズムだけを生かせば、まとまりが崩れません。

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