
スターチス
フィラー四季
スターチスは、紙の質感の小さな花が枝先ごとに群れて咲き、花束のすき間を細やかに埋めてくれるフィラーです。私たちの目に映る紫やピンクの部分は、じつは花びらではなく色づいたがくで、だからこそ生花のときの色が乾いた後もほとんどそのまま残る——これが最大の特徴です。ふるさとは海辺や塩気のある湿地で、地中海沿岸をはじめ世界じゅうの海岸に自生し、塩からい土でもたくましく咲きます。そのため西洋では海のラベンダーという意味で「シーラベンダー」とも呼ばれます。葉のついた角ばった茎が幾筋にも枝分かれし、その先ごとに小さな花が密に付くので、一本挿すだけでも花束に静かなボリュームと色を添えてくれます。旬は初夏から真夏にかけてで、日ざしの強い季節ほど色が鮮やかに冴えます。
花言葉の物語
紫のスターチスの花言葉は「変わらない心」、ピンクのスターチスは「永遠の愛」です。どちらの花言葉も、時間がたっても色あせないスターチスの性質からそのまま生まれました。多くの花がしおれながら色を失うのに対し、スターチスは水気が乾いた後も最初の色あいを長く保ちます。色を宿す部分が繊細な花びらではなく、しっかりとしたがくだからで、この珍しい性質が「変わらない」という意味へとつながり、ひとすじの心と永遠の愛の象徴になりました。だからこそスターチスは、古くから長く胸に留める想いを伝える花とされてきました。華やかに目を奪うのではなく、そばで静かにいつまでも寄り添うその姿が、変わらない愛情とよく似ているのです。紫は落ち着いた深い信頼を、ピンクは温かく優しい愛を宿し、同じスターチスでも色によって伝える想いの色あいが少しずつ変わります。乾かしてもしおれず、その意味を長くそばに置けるので、花言葉がいっそう心にしみる花です。
色ごとの花言葉
- 紫のスターチス変わらない心
- ピンクのスターチス永遠の愛
贈りたい瞬間
長く手元に残る贈り物を望むなら、スターチスが答えです。生花の花束がしおれた後も、乾かしてきれいに保存できるので、花を長く手元に置いておきたい人にとりわけよく似合います。「変わらない心」と「永遠の愛」という花言葉のおかげで、遠く離れて暮らす恋人や、長くそばで支えてくれた人へ、変わらぬ想いを込めて贈るのにふさわしい花です。結婚記念日や長い友情をたたえる席のように、時間が積み重ねた間柄を祝う瞬間に、スターチスの花言葉が静かに寄り添います。紫のスターチスは落ち着いた信頼を伝えたい目上の方や恩師へ、ピンクのスターチスは優しい愛を込めて恋人や親しい友へ贈ってみてください。ドライブーケにしておけば、その日の想いを長くそばに置けるので、卒業や新たな門出のように心に留めておきたい日の贈り物としても意味深いものになります。
組み合わせのコツ
スターチスは小花が密に付いたフィラーなので、メインの花のあいだの空きを埋め、花束にボリュームと色を添える役目を担います。紫のスターチスはラベンダーやリシアンサスと合わせると淡いパープルのグラデーションができ、マゼンタのダリアのそばに添えれば、奥深い紫がいっそう濃くなります。ピンクのスターチスはバラやムクゲと溶け合って優しいピンクの色調をつくり、ユーカリのようなグリーンで余白をとると、色がひときわ澄んで見えます。小さな花が軽やかで、どんなメインの花とも気負いなく混ざりますが、色がはっきりしているぶん、二、三色に絞るとまとまりが崩れません。なにより乾かしても色あせないので、パンパスグラスや麦の穂のような乾いた素材と束ねれば、そのまま長く飾って楽しめるドライブーケになります。茎が細く軽いので、メインの花を先に決めてから、すき間をスターチスで埋めて仕上げると、バランスをとりやすくなります。