チューリップ

チューリップ

フィラー四季

チューリップは、なめらかなカップ形の花がまっすぐな茎の先にひとつずつ端正に咲く春の花です。六枚の花びらが互いを包むように重なって丸い盃をかたちづくり、朝には開いて夕には再び閉じる姿には、まるで生きているかのようなリズムが宿っています。原産地は中央アジアの草原地帯で、オスマン帝国を経て広く愛され、その名もターバンを意味する古い言葉に由来すると伝えられています。つぼみが包み込む姿が頭に巻いたターバンを思わせたことから付いた名前です。17世紀のオランダでは球根ひとつが家一軒の値で取り引きされたチューリップ狂時代の主役となってヨーロッパ全土へ広まり、今では春を代表する花として、またオランダを象徴する花として親しまれています。色や模様がとても豊富で、この花ひとつだけでも春の庭を華やかに彩ることができます。

花言葉の物語

オレンジのチューリップの花言葉は「愛の告白」です。チューリップは色ごとに異なる想いを宿していて、ピンクのチューリップは「愛の始まり」、黄色のチューリップは「明るい微笑み」、白いチューリップは「新しい始まり」を意味します。恋がそっと芽生え、慎ましく告白へと進んでいく段階を、色ごとに分け持ったかのような花言葉です。こうした意味の背景には、古くから語り継がれるペルシャの伝説があると言われています。愛する人を失った青年が流した涙が地に落ちて赤いチューリップが咲いた、という伝説で、そこからチューリップはまっすぐで熱い愛の心を象徴する花として読み解かれてきました。赤やオレンジのチューリップがとりわけ告白や情熱を代表するようになったのも、この物語と自然に重なり合うからでしょう。色が明るくなるほど花言葉もいっそう軽やかになり、黄色は晴れやかな笑みを、ピンクは胸ときめく始まりを、白は過ぎたことを畳んで新たに進んでいく心を宿します。ですからチューリップの花束を選ぶとき、色を選ぶことは、そのまま伝えたい想いを選ぶことになるのです。

色ごとの花言葉

贈りたい瞬間

告白を控えて想いを伝えたいなら、「愛の告白」を意味するオレンジのチューリップを選んでみてください。言葉にしきれないときめきを代わりに手渡すのに、これほどふさわしい花もそう多くありません。ようやく心を通わせ始めた間柄には「愛の始まり」を込めたピンクのチューリップが似合い、新たな門出を応援したい場面には「新しい始まり」を意味する白いチューリップがうってつけです。入学や開店、引っ越しのように新しい章を開く瞬間を祝うとき、とりわけその意味がほのかに生きてきます。明るい気分で祝いたい卒業の花束には「明るい微笑み」の黄色いチューリップを添えれば、春の息吹がそのまま伝わります。チューリップは色を変えるだけで伝わる想いが変わる花なので、贈る相手や場面に合わせて色を選ぶ楽しみのある贈り物です。季節でいえば春の挨拶に最もよく似合い、冬の間に縮こまっていた心を明るく開いてくれる花束として申し分ありません。

組み合わせのコツ

チューリップは花束のなかでフィラーの役割を担い、バラやガーベラのような丸いメインの花の間を満たしてリズムを生み出します。まっすぐ伸びた茎となめらかなカップ形が他の花と重ならない質感を持つので、あいだあいだに配すると束に軽やかな流れが生まれます。色を合わせるときは、同じ温度どうしでまとめるのが一番無難です。オレンジや黄色のチューリップはひまわりやガーベラのようなウォームトーンの花と並べれば華やかな春の束になり、ピンクのチューリップはピンクのバラやラナンキュラスと類似色で溶け合ってやわらかな印象を生みます。白いチューリップは色を選ばずどこにでも馴染むので、白いラナンキュラスやかすみ草とともに淡々と束ねれば端正な束になります。緑は葉が長く伸びるグリーン素材で受けてまっすぐな茎の線を生かし、あれこれ色を欲張るよりひとつふたつの色だけを選んでチューリップの端正な質感を守るほうが、束を爽やかに仕上げる近道です。

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